開業に向けてプロフィールを書こうとして、名前の下で止まってしまう。ほかのお店の紹介には立派な経歴が並んでいて、自分の文章が急に頼りなく見える。そんなことはありませんか。
自己紹介は、自分を大きく見せるための欄にしなくてもいいと思います。初めて来る方が知りたいことに、確かに言える範囲で答える。それだけでも、書く順番が変わってきそうです。
肩 書きの前に、 してきた ことを 並べる。
まずは公開するつもりでなく、仕事用のメモへ。どんな仕事をしてきたか、何を学んだか、どのような準備に時間をかけているかを、短く書いてみませんか。うまい文章でなくて構いません。
日本政策金融公庫の「創業計画の書き方」には、創業計画書の様式と、「創業の動機」「経営者の略歴等」を扱う解説動画が案内されています。プロフィール用の資料ではありませんが、これまでを整理する入口としても眺められそうです。ここからは、私からの使い方の提案です。
年月や資格名などは、手元の記録で確かめる。担当していた仕事と、勉強したことは分けて書く。そのうえで、お客様に伝えたいことだけを選びます。長く勤めていた場所や個人の情報を、すべて公開する必要はありません。
「丁寧です」を、 実際の 案内へ。
たとえば「丁寧な対応を心がけています」だけだと、その丁寧さを想像するのは読む方の仕事になります。実際に行っているなら、「初回は、ご希望を伺ってから施術の流れをご説明します」と書くほうが、来店の場面が浮かびそうですね。
これは文章の例で、どのお店にもこの手順を足しましょう、という意味ではありません。書いたことが約束になるからこそ、今できていることを言葉にしたいです。これから学びたいことを、すでに得意なこととして書かない。その控えめさも大切だと思います。
経歴を全部載せると安心してもらえる、とは限りません。初めての方が読む順番で、どんな人か、どんなふうに迎えるか、確かめられる経験や資格があればその内容へ。短くても、事実が伝わる紹介を目指してみませんか。
最後に声に出して読んでみて、自分が接客中には使わないような立派な言葉だけが残っていないかを確認する。「こちらでお待ちしています」と言うときの自分に近づけるつもりで。
何も書くことがないと思っていた欄に、いつもの準備が一つ入る。誰かと比べて華やかでなくても、来店前の方があなたのお店を想像する手がかりになりますように。
出典:日本政策金融公庫「創業計画の書き方」。確認日:2026年10月5日。https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/business-plan/

